JAガンバレ農業!
【第87回】

吹屋に移住し特産品づくり
~佐藤紅商店、佐藤拓也~

(高梁市成羽町)撮影日:平成30年12月11日
佐藤さんとRSK笑味ちゃん天気予報、古米リポーター

佐藤さんとRSK笑味ちゃん天気予報、古米リポーター

岡山県高梁市市街から自動車で40分。紅色の顔料「ベンガラ」の町、高梁市成羽町吹屋で過疎、高齢化が進む同地区を再び盛り上げようと、地元産の赤唐辛子とユズを使った辛味調味料の製造販売を手がけるのは、佐藤拓也さん(32)。平成24年に赤唐辛子を主原料として「吹屋の紅だるま」を発売。ベンガラに代わる、新しい紅の特産品としてJAびほく直売所グリーンセンターのほかに、県内外の小売店やオンラインショップで販売し、全国に吹屋の魅力を発信しています。

佐藤さんは、平成24年に大阪から地域おこし協力隊として移住し、同地区の活性化に向けて活動。地元青年団に加入し、ベンガラの町吹屋をPRする食品ができないかと考えていたときに、柚子胡椒と出会い、その味に魅かれ団員とともに平成26年に開発を始めました。人気に伴い、徐々に販売数量が増え、佐藤紅商店を平成29年に立ち上げ本格的な事業として雇用も生んでいます。

主力商品「吹屋の紅だるま」は、48g入り瓶詰め税込600円。外装箱には、柚子を持ったダルマの絵が描かれ、消費者の目を引いています。自家栽培するなどした赤唐辛子をペーストにし、地元産柚子の皮と塩を加え、2週間ほど寝かせて製造。添加物は使わず、程よい塩味と柚子の風味が強いのが特長。鍋物や焼き肉、ギョーザなどに合います。一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が調味料業界の活性化を目指し開く「調味料選手権」で昨年、審査員特別賞を獲得するほどに成長。今年は、発売当初の100倍にあたる2万個を製造する予定です。

「吹屋の紅だるま」のほかにも、柚子の果汁と赤唐辛子を使った柚子酢「吹屋の紅てんぐ」、沖縄の伝統調味料コーレーグスを参考に、地元の米焼酎に赤唐辛子を漬け込んだ調味料「吹屋のからみ」を発売。柚子のすべてを有効利用しようと、皮以外のすべての部分をジャムなどに加工する取り組みを始め、今年試作品の完成を目指しています。

紅だるま、紅てんぐ

紅だるま、紅てんぐ

赤唐辛子や柚子を栽培する中で、農業の難しさにも直面しています。赤唐辛子は、自家栽培と地元の契約農家で栽培。今年は400kgを収穫し、目標とする600kgには届きませんでした。柚子も自家栽培のほかに、JAから仕入れしています。「やはり農家が作った柚子は大きさが整い、作業効率がいい。今後は柚子の収穫が容易な栽培方法を検討していかないといけない」と佐藤さんは話しました。

同地区のさらなる活性化を図るため、将来的には加工場の移転も検討しています。現在の加工場は、吹屋中心部より南に約3kmのところ。「吹屋の中心地に、空家を有効活用した加工場を作りたい。買いに来た人が加工作業を見学でき、商品を買えるようにしたい」と佐藤さんは胸を膨らませました。

瓶づめをする佐藤さん

瓶づめをする佐藤さん