JAガンバレ農業!
【第80回】

娘と通い農業で農地を守る
~ブドウ農家、高梁市有漢町、鈴木実好さん~

(高梁市有漢町)撮影日:平成30年4月21日
瀬戸ジャイアンツの新芽を確認する鈴木さん

瀬戸ジャイアンツの新芽を確認する鈴木さん

「近所でも通いで農業をする人が最近は増えた。私もその一人」と、最近の農業形態の変化を実感するのは、鈴木実好さん(66)。鈴木さんは、片道1時間半をかけて岡山市から、妻の実家のある高梁市有漢町まで、通い農業を約6年間続けています。

瀬戸ジャイアンツの新芽

瀬戸ジャイアンツの新芽

以前から水稲作付の手伝いをしていましたが、「退職後の第二の人生、米作りだけに遠方から来るのはもったいない。なにか作付けをしたい」と考え、管内がブドウの産地であったこと、知人からブドウ栽培を勧められたこともあり、退職を見越し野菜畑をブドウ畑へと転換しました。現在も郵政関係の仕事に従事しながら、ブドウ畑7a、水稲65aを作付。それだけでは収穫量の確保が難しいことから、JA営農指導員の勧めで、近所で廃園となったモモ園を借り受け、モモの栽培に昨年から着手しています。

鈴木さんには強い見方がいます。一緒に汗を流す30代の娘さんです。二児の母親ながらも、父と一緒に休日には岡山市から二人で同町に通っています。父と娘の二人三脚。朝早くから夕方帰るギリギリまで作業を二人で行い、岡山市へ帰る日々が続きます。それでも二人は「百姓が好き。この仕事は好きでなければできない」「娘と共通の仕事ができ、後を継いでくれるのでとても頼もしい」と笑顔をみせます。今年は、娘さんの意向で新たにニューピオーネの苗木を植え、栽培面積も増加し、生産に弾みを付けます。

二人は、高梁市有漢町のみならず、総社市で耕作放棄地約5haの水稲栽培も請け負っています。年々作付け面積は増加傾向ですが、整備されたほ場条件と機械化、県南と県中北部での作業分散ができているため、栽培を継続することができています。娘さんも、コンバインなど農業機械を巧みに操り、作業の効率性を向上しています。

通常の仕事、高梁市と総社市での農業と、三足のワラジを履いている鈴木さんですが、ブドウやモモ作りは素人。高梁市が主催するピーチスクールやピオーネスクールで一から勉強し、JA営農指導員の指導も仰いでいます。「やはり自己流ではできない。スクールに通い、本当に勉強になった。しかし、今でも間引き作業などは難しい。今は毎日が勉強の日々」と充実感を漂わせました。

また、通い農業なので気象条件も異なる中、作業適期を作業暦に頼らざるを得ないため、産地の即時で密な営農情報がほしいと胸のうちを話します。「メールやLINEなどの情報交流サイトを活用した情報提供があれば、通い農業の垣根が下がり、農地の維持もしやすくなるのではないか」と話しました。

鈴木さんのブドウ畑

鈴木さんのブドウ畑

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