JAガンバレ農業!
【第77回】

プロボクサーから転身 Iターンで放牧に挑戦
~農事組合法人西山維新会 青木日向さん~

(高梁市備中町)撮影日:平成29年12月25日
子牛の世話をする青木さん

子牛の世話をする青木さん

都会の喧騒から離れ、高梁市備中町西山で放牧に挑戦するのは、青木日向さん(21)。地域の景観維持のため、黒毛和牛放牧に取り組む農事組合法人西山維新会の初の正規雇用者として一歩を踏み出しました。同会が、集積している農地や放牧牛の管理を会員に教えてもらいながら専従で管理する一方で、空き時間は会員のトマト農家の手伝いをして農業の醍醐味を実感しています。

埼玉県出身の青木さんは、都心で建設業に携わる傍ら、プロボクサーとして活躍の場を広げていました。高梁市内からでも自動車で1時間以上かかる備中町西山に移住する転機は、29年6月。すでに同会でボランティアをしていた友人からの誘いに心動かされました。実家も非農家で、農業にも田舎暮らしにも縁がない青木さんにとって、未知の世界でした。

放牧牛

放牧牛

都会と田舎暮らしに戸惑う一方で、和牛に触れたこともないため当初は触ることもままなりませんでした。少しずつ慣れていく中で「ペットとしてではない家畜愛が芽生えていった。自分で育てた牛がセリにかかりお金に換わることにやりがいを感じた」と青木さんは振り返ります。

26年5月、レンタル牛2頭で始まった同会の放牧も今では子牛をセリに出せるようになり、繁殖牛8頭、子牛4頭に増え、30年度も増やす計画です。管理する農地面積も約10haへと増加の一途を辿っています。会員10人では人員不足を感じていたとき、青木さんを雇用することができました。会員は「青木さんの加入で、この地に新しい人を呼び込み地域を活性化させようという会の目的が達成でき、大変ありがたい。これを弾みに新しい人の輪を広げていきたい」と喜びました。

放牧地の一部

放牧地の一部

青木さんは放牧による牛の成長を通じて今まで体験したことのない喜びを感じる一方で、「まだ始まったばかり。飼育管理などすべて勉強中なのでこれから自分でできることを増やしていきたい」と気を引き締めます。

同会の代表理事を務める吉家仁さんは「今後耕作放棄地が増えることが予想される。会員はトマトなど他品目を生産しているが、青木さんは専従で管理してくれるので、会としても一歩も二歩も先へ発展することができるだろう」と期待を寄せました。