JAガンバレ農業!
【第71回】

農業を生業にしたい 脱サラでブドウ農家へ
~ぶどう農家 真庭市上中津井、森下晃充さん~

(真庭市下中津井)取材日:平成29年8月30日
若木の摘芯作業を行う森下さん

若木の摘芯作業を行う森下さん

「サラリーマンでは味わえない喜びと奥深さがある」と生き生きと話すのは、真庭市上中津井の森下晃充さん(41)。森下さんは、精密機械を製造していた会社に勤務していましたが、脱サラし昨年4月にぶどう農家へ転身。真庭市内のほ場でシャインマスカットを主力に、ニューピオーネなど4品種を約40aで栽培しています。

就農以前は、自家消費用の水稲と家庭菜園のみの兼業農家。作業を休日に手伝う程度だった森下さんが、農業に魅了されたのは農産物の海外と日本の品質の大きな違いです。サラリーマン時代に海外へ半年間出張した際に訪れたスーパーの青果コーナーに唖然。「日本のスーパーの品質と比べものにならい。日本の野菜や果物の鮮度の良さを目の当たりに実感した」と当時を振り返ります。その衝撃から農業分野に興味を持ち、以前から心の奥底に抱いていた起業する夢を現実にしようと、一歩を踏み出しました。「農業はニッチ産業だと感じる。今は買い手市場かもしれないが、生産者が高齢化し減少していく中で、いつか必ず売り手市場に転換するはずだ」と先を見据えます。

農業を成長産業と捉え、安定経営を目指そうと、農産物の周年出荷を実践しています。主力のぶどう栽培に年間の大半を費やしますが、収穫前後の10月~4月までは市場が求める野菜を栽培しています。ホウレンソウ、ミニハクサイなどその時の需要にあった農産物を自宅前の約30aで育てています。育て方にも工夫を凝らしています。栽培時期の変更、乳酸菌を使った減農薬、寒締する栽培など他の生産者との差別化を図り、付加価値をつけ選ばれる商品を目指しています。「農業を生業とするのであれば、経営者として収益性を求めていかないといけない。その時のトレンドを掴み、取り入れていく必要がある」と話します。

山の稜線と並行の園地。若木は約5年後の収穫に向けて生長する

山の稜線と並行の園地。
若木は約5年後の収穫に向けて生長する

農業が魅力的である半面、喜びや難しさも実感しています。多くの作業が重なるぶどう栽培。作業の効率化や、風土にあった栽培技術の応用など試行錯誤を繰り返す日々が続きます。「農業は知れば知るほど奥が深く、魅力的。知人の市場関係者や恩師に初収穫したブドウを褒められた時はやりがいにつながった」と笑顔を見せました。JA北房総合センターで営農指導員を務める本多秀孝課長も「担い手農家として、また地域社会のキーパーソンとして、今後活躍されることと確信している。JA職員も未来志向で農家をサポートしていきたい」と期待を寄せます。

やりがいを見出し、今後を考える中で、海外の農産物の鮮度や品質を実感した経験から、海外輸出へも興味を示しています。ぶどうの国内市場が飽和状態であるとした上で「びほくのぶどうはとてもこだわって作っている。もっと多くの海外の人にこのおいしさを味わってもらいたい」と海外へ目を向けます。

端境期を狙い栽培しているホウレンソウ

端境期を狙い栽培しているホウレンソウ

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